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Channel: 風景のデザインブックⅡ
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江刺のまちづくり(8)

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4.黒船の設立とまちづくりの実践
(1)(株)黒壁との出会い
 江刺のまちづくりに大いなる影響を与えた滋賀県長浜市のまちづくり会社(株)黒壁(以後黒壁)との出会いは偶然だった。平成8年(1996)、後に黒船の社長となる綾野氏が市、商工会議所、農協のメンバーと一緒に、えさし藤原の郷でロケが行われているNHK大河ドラマ「秀吉」のキャンペーンで名古屋を訪れたとき、ガラスを軸にまちづくりを行っている黒壁の存在を知る。綾野氏はその足で当時黒壁の専務だった笹原氏を訪ねるが、アポなしのため会えずに返されている。その後何度も長浜を訪れている。やっと会えたときにセミナー「秀吉大学」への参加を勧められる。当時黒壁は「北近江秀吉博覧会」(4月~11月)を実施していた。綾野氏はその全てに参加した後、笹原氏に江刺の町を見て欲しいとお願いする。
 当時綾野氏達は土蔵を活用したまちづくりを模索していたが、なにを核にすればいいのか悩んでいた。そこで先進地である黒壁の、実践者の目で見た江刺の印象とまちづくりへのアドバイスをもらいたかったのだ。それでも笹原氏は動いてくれなかった。仕方なく勝手に花巻までの航空券を送る手段に出た。その結果笹原氏は重い腰を上げてくれたのだった。
 笹原氏が2度目に江刺を訪れたとき「黒壁ガラス館を出店してもいいぞ」という話になった。これは綾野氏の熱意とまちづくりを進めようとする仲間達の本気度を感じ取った上での発言だったと思う。江刺にとっては願っても無い話なので異論は無く出店をお願いすることにした。これを契機に江刺のまちづくりは大きく進展する。
 綾野氏達は受け入れの責任所在をはっきりするため、まちづくり会社の設立とガラス館の建設へ動き出すことになる。黒壁はまちづくり会社への出資、黒壁ガラス館江刺店で働くガラス職人の募集など出店へ向けての準備を進めていくことになる。
 
写真4-1 当時のポスター
イメージ 1
 
 

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